v5 20261010 190035
送出Mac qlabmac / QLab のグループ「Playlist」モードを Resolume で置き換えられるか

Resolume Autopilot 検証(Arena 7.28.1)

結論: 最新の Arena 7.28.1 なら、QLab の Playlist モードでやっていること(順に再生して最後で止める・シャッフル・クロスフェード)と、2画面を揃えて進めること、画像の上に CM を重ねて CM 終わりに画像を残すことが、すべて実機でできた。手持ちライセンス上限の 7.13.2 では「最後で止める」と「2画面を列ごと進める」ができない(末尾の参考)。
やりたいこと7.28.1(本検証)7.13.2(参考)
クリップが終わったら次へできる(T1)できる
最後のクリップで止めるできる(T1・T2)できない(先頭に戻る)
2レイヤーを列ごと自動で進めるできる(T3)機能なし
画像の上に CM を重ね、終わったら画像だけ残すできる・間のコマなし(T4)未試験
シャッフルできる(T5)Play Random Clip のみ
クロスフェードできる(T6)未試験

QLab の Playlist モードと Resolume の対応

QLab 5 の Group cue を Playlist モードにすると、中のキューが1本ずつ順に再生され、終わると次へ自動で進む。オプションは Loop until stopped・Auto-shuffle・Crossfade の3つ(QLab 5 公式「Group Cues」)。

QLab(Playlist モード)Resolume 7.28.1 の設定確認
中のキューを順に再生、終わったら次へレイヤーの Autopilot=Play Next Clip(Clip Transport)T1
Loop until stopped OFF=最後で止まるレイヤーの Autopilot の loop=OFF、または最後のクリップだけ Do nothingT1・T2
Auto-shufflePlay Random Clip + random_type=BagT5
Crossfadeレイヤーのトランジション(Transition)の時間T6
大型ビジョン用と LED 用を同時に進める列(Column)の AutopilotT3

試験の方法

キャプチャ機器は実質 30 コマ/秒で映像を送っている(録画は 60fps だが同じ絵が2コマずつ並ぶ)。切り替わりの確認の細かさは 1/30 秒。ずれや隙間がこれより細かい場合は、この方法では見えない。

7.28.1 で使える Autopilot の設定

どこで設定何をするか選べる値
レイヤークリップが終わったら次へOff/Play Previous Clip/Play Next Clip/Play Random Clip。進むタイミング=Clip Transport/Beats/Seconds。loop(最後で先頭に戻るか)。compensate_transition(トランジション分だけ早めに切り替える)
クリップそのクリップの後だけ動きを変えるLayer Determined/Do nothing/Play Next・Previous・Random・First・Last Clip
コンポジション(列)列ごと次へ(全レイヤー同時)Off/Play Previous・Next・Random Column。進むタイミング=Beats/Seconds/Shortest Clip/Longest Clip/Top Clip/Bottom Clip。loop

画面では View メニュー → Show Autopilot で、各パネルに Autopilot の項目が出る。

T1 順に再生して最後で止める(loop OFF)実測

設定: レイヤー1の Autopilot=Play Next Clip、loop=OFF。A → B → C を並べて A を出した。

1秒: A(赤)残り2.0秒前後
1秒 A(赤)
4秒: B(緑)
4秒 B に進んだ
7秒: C(青)
7秒 C に進んだ
11秒: C の最後のコマで止まっている
11秒 C の最後で止まった
録画のコマ出ていたもの長さ
69〜248A180 コマ=3.00 秒
249〜428B180 コマ=3.00 秒
429〜(録画終わりまで)C(最後の絵のまま)5.8 秒以上
T1 の出力の録画
Arena の操作画面(11秒時点)
Arena の操作画面: レイヤー1の C が選ばれたまま
上がクリップの並び(横=列、縦=レイヤー)、左下が出力のモニター

T2 最後のクリップだけ「Do nothing」実測

設定: レイヤーの loop は ON のまま、C のクリップの Autopilot だけ Do nothing。演目の途中で「ここで止める」を作るときに使う。

4秒: B
4秒 B
7秒: C
7秒 C
11秒: C で止まっている
11秒 C で止まった(A に戻らない)

録画のコマ: A 69〜248(180 コマ)、B 249〜428(180 コマ)、C 429〜最後まで。T1 と同じ結果。

T2 の出力の録画

T3 2レイヤーを列ごと自動で進める実測

設定: コンポジションの Autopilot=Play Next Column、進むタイミング=Longest Clip、loop=OFF。QLab の「グループ1回で大型ビジョンと LED が同時に変わる」に当たる。出力は上のレイヤー(レイヤー2)が手前に見える。

列1列2列3
レイヤー2(手前)C 3秒D 5秒A 3秒
レイヤー1(奥)A 3秒B 3秒C 3秒
録画のコマ69〜250(3.03 秒)251〜550(5.00 秒=長い方の D に合わせた)551〜最後まで(止まった)
1秒: 列1(手前は C)
1秒 列1(手前 C)
4秒: 列2(手前は D、残り4.02秒)
4秒 列2(手前 D 5秒)
9秒: 列3(手前は A)
9秒 列3(D が終わってから)
13秒: 列3のまま止まっている
13秒 列3で止まった
T3 の出力の録画
Arena の操作画面(9秒時点)
Arena の操作画面: 列3が選ばれている
列3(Column 3)の2レイヤーが同時に出ている

T4 画像の上に CM を重ね、終わったら画像を残す実測

設定: 同じ列の奥のレイヤーに静止画(STILL)、手前のレイヤーに B(3秒・再生モード Play Once & Clear=1回再生したら消える)。QLab の「WINNER・DUNK 紹介」(くじの画像の上に CM を流す)と同じ構成。

1秒: B が手前で再生中
1秒 手前の B(CM 役)が再生中
4秒: 静止画だけ
4秒 B が消え、静止画が残った
切り替わり前後10コマ: 上段は B の残り0.05→0.03、下段は STILL
切り替わり前後の10コマ(録画の 246〜255 コマ目)。上段は B の最後(frame 178〜179 / 180)、下段はもう STILL。間に黒や別の絵のコマは無い

録画のコマ: B 71〜250(180 コマ=3.00 秒)→ 251 から STILL。

T4 の出力の録画

T5 シャッフル(QLab の Auto-shuffle に当たる)実測

設定: レイヤーの Autopilot=Play Random Clip、loop=ON。A・B・C(各3秒)と D(5秒)の4本。random_type を3種類に変えて、それぞれ40秒間、出ていたクリップを API で記録した。

random_type出た順(40秒)読み取れる動き
AnyA → D → B → D → D → C → A → D → A完全にランダム。同じクリップが続けて出ることがある(D が2回続いた)
OtherA → C → B → D → B → D → A → D → A → B → C → A直前と同じクリップは出ない。偏りはある
BagA B C D | C A B D | B D A C4本を1回ずつ出し切ってから、順番を変えて次の周に入る。QLab の Auto-shuffle に一番近い

QLab の Auto-shuffle は「グループを出すたびに並べ直す」。Resolume の Bag は「1周ごとに並べ直す」。どちらも1周の中で同じクリップは1回だけ。最初の1本は試験のために手で A を出している。

Bag の出力の録画(40秒)

T6 クロスフェード(QLab の Crossfade に当たる)実測

設定: レイヤーの Autopilot=Play Next Clip、loop=OFF、レイヤーのトランジション時間=1秒(合成は Alpha)。A → B → C → D。Autopilot の compensate_transition(トランジション分だけ早めに切り替えを始める)を OFF と ON で比べた。

compensate OFFcompensate ON
クロスフェードの長さ約1秒(色の判定では 0.83〜0.93 秒。変わり始めと終わりの淡い部分は判定に入らないため短めに出る)
A が出始めてから B へのフェードが始まるまで約3秒(A を最後まで出してからフェード)約2秒(A の終わりの1秒前からフェード)
1本ごとの間隔(3秒の素材)2.92〜3.00 秒1.97〜2.03 秒(=3秒 − トランジション1秒)
最初のクリップ何も出ていない状態から出すときも、1秒かけて黒からフェードインした
A から B へのクロスフェード12コマ。B のカウントダウンは2.95から始まっている
compensate OFF の A→B(6コマおき)。フェードの間、B は頭(残り 2.95、frame 4)から再生が始まっている。A の文字がうっすら重なって消えていく
compensate OFF の出力(約16秒)
compensate ON の出力(約16秒)

使い分け: 素材を最後のコマまで見せたいなら compensate OFF(フェード中は次の素材の頭が重なる)。前の素材の最後の1秒をフェードに使ってよく、全体の尺を素材の合計に近づけたいなら ON。

仮定と未確認

内容区分確かめ方
1/30 秒より細かい隙間やずれ(キャプチャ機器が実質 30 コマ/秒のため見えない)未確認60 コマ/秒で取り込める機器で撮り直す
体験版の透かし以外に、製品版との違いはない未確認—
7.22 以上へのライセンス更新の費用と範囲未確認Resolume のアカウントページの Renew/Upgrade
本番の素材(ProRes・音声付き)でも同じ動きになる仮定本番素材で T1・T4 を通す

参考: 手持ちライセンスの 7.13.2 の場合

同じ Mac mini の Arena 7.13.2(製品版)で先に試した結果。色だけの動画を使い、API の読み取りで確認した。